実践するために - 要求分析駆動設計

冒頭でも述べたが、要求のスキル、実務システムの開発スキル、アジャイル開発のスキルは最低限必要になる。ただ、チームとしてである。 全員が持っている必要はなく、チームとしてこれらのスキルを持っていると言える状態ならば良い。 チェックリストを埋めるようにチーム誰かが持っていれば良いという発想はしないで欲しい。 チームリーダーが全てのスキルを持っていても、他のメンバーがまったくこれらのスキルを持っていなければ、当然ながらチームとしてこれらのスキルを持っているとは言えない。

要求のスキル

要求分析駆動設計の流れで書いた4項目を実践できるスキルであり、要求分析駆動設計の核となるスキルである。 プロダクトオーナー、ビジネスアナリスト、アジャイルアナリスト(アジャイルサムライ p.31)と呼ばれる人たちに求められるスキルでもある。 プロダクトオーナーに求めるのは酷というのもあり、通常はサポートのためアナリストの帽子をかぶれる人が開発者サイドに求められる。

ソフトウェア要求 第3版は要求開発に関するバイブルである。 アジャイル開発における要求開発についても言及されている。 要求に関する本はこれだけ読めば十分である。

実務システムの開発スキル

コンピュータサイエンスや技術の知識があるならそれに越したことはないが、必須と言えるものではない。 要求分析駆動設計では適切にオブジェクト指向設計ができるとか、メンテナンス性の高いコードを書けるといったことが重要になる。 最低限、Code Complete 第2版 上Code Complete 第2版 下を読むか、それに準ずるスキルを持っている必要がある。

アジャイル開発のスキル

要求分析駆動設計は、適切に運用されたスクラム開発を念頭にまとめ上げている。 プロダクトオーナーが不在だったり、プロダクトバックログリファインメントを行っていなかったりと適切にスクラム開発を実践していないなら、要求分析駆動設計はできない。 そういったプロジェクトでは、要求分析駆動設計の核である要求に関する活動が適切に行えない可能性が高いからである。

エッセンシャル スクラムMore Effective Agileを読んで適切にスクラム開発を実践できる状態にして欲しい。